安全を守り、事業を続けるための講習ガイド

更新講習・
兼務講習

「資格を更新する」と
「船に乗り組む」を、分けて理解。

安全統括管理者・運航管理者の資格者証を維持したい方、運航管理者が船長などを兼ねる体制を考えている方へ。対象者、条件、受講と申請の順序を図解でご案内します。

内容確認:2026年9月24日

港に面した事務所で、船舶の資料と予定を確認する二人の担当者

まずは目的から

どちらの準備が必要ですか?

両方が必要になることもあります。 更新講習を受ければ兼務できる、兼務講習を受ければ資格者証が更新される、という関係ではありません。

01

違いを整理

目的も、受ける人も違います。

資格者証の更新

更新講習

安全に関する知識を学び直し、資格者証の更新に備える講習です。

安全統括管理者講習

安全統括管理者資格者証を更新する人

運航管理者講習

運航管理者資格者証を更新する人

それぞれ総合・大型・小型の資格者証が対象です。

船に乗り組むための特例

兼務講習

運航管理者が船に乗り組む場合に、船と陸の連携を確保するための講習です。

運航管理者兼務講習

船に乗り組む運航管理者

陸上従業者兼務講習

陸上で常時連絡を取れる従業者

兼務の条件、陸上体制、地方運輸局等への手続きも必要です。

02

更新講習

資格者証は、2年ごとに更新。

安全統括管理者資格者証・運航管理者資格者証の有効期間は2年です。お持ちの資格者証の期限を確認し、受講と更新申請を別々の予定として管理します。

  1. 01

    資格者証を確認

    資格の種類・区分と、記載された有効期限を確認。

  2. 02

    対象の更新講習

    受講の案内を確認して申込み、必要な講習を修了。

  3. 03

    更新申請

    必要資料を整え、地方運輸局等へ更新の手続き。

  4. 04

    更新後も期限管理

    更新された資格者証を確認し、次回の期限を記録。

2026年9月24日時点

更新は2027年開始予定。受付・申請の詳細は公表待ちです。

更新講習の受講受付は、講習機関の登録と準備が整い次第、始まる予定です。更新申請の具体的な方法も、今後の案内を確認する段階です。上の図は準備の全体像で、現在すべての手続きの受付が始まっていることを示すものではありません。

今できること:資格者証の写し、有効期限、現在の選任状況を整理しておきましょう。受講しただけで更新申請が完了するわけではありません。

更新講習で学ぶ内容

安全管理の基本

安全管理規程や、管理者の役割を確認。

運航判断

気象・海象と航海の安全について学習。

船と人の体制

船体・設備、船員の配置と教育を確認。

最近の動向

事故の事例や制度の変更を学び直す。

講習時間の基準は各講習1時間以上です。実際の開催時間・受講方法は、受付開始後の講習機関の案内で確認します。

03

兼務を検討する前に

船が小さくても、自由に兼務はできません。

運航管理者は、職務を行っている間、船に乗り組まないことが原則です。ここでは、内航一般不定期航路事業などの限定小規模事業者の特例を中心に整理します。

対象となる登録事業者について、次の条件をすべて確認

同時に運航する船1隻

その船が航行している間、他の船は運航しない。

その船の総トン数20トン未満

法令上の小型船舶であることを確認。

その船の旅客定員12人以下

13人未満。当日の乗客数で判断しない。

両者の兼務講習 + 陸上従業者の配置 + 事前の手続き

船の条件だけで特例が使えるわけではありません。

船が2隻ある事業者は?

「保有隻数」と「同時運航」は別。

2隻保有していても、常に同時運航を1隻に限る運航計画などを確認します。2隻を同時に運航する体制は、この1隻を前提とする特例に当たりません。

定員20人の船に10人乗せると?

その日の人数では変わりません。

確認するのは船舶検査証書の「旅客定員」です。定員20人の船は、乗客が10人の日でも「旅客定員12人以下」にはなりません。

04

船と陸で支える体制

船に乗る人と、陸で支える人。
両方の準備が必要です。

船内で無線を使う運航管理者と、陸上の事務所で気象情報を見ながら連絡を取る従業者
船側

船に乗り組む運航管理者

必要な運航管理者資格者証を持ち、船長等の職務と運航管理者の職務を担います。

  • 運航の可否判断と、必要な指示
  • 出航・入港・運航中の状況の連絡
  • 陸上従業者の業務の指示・確認
常時連絡
できる体制
陸側

陸上従業者

船に乗り組まず、事務所などの適切な場所で、運航管理者と常時連絡を取ります。

  • 気象・海象や陸上施設の情報提供
  • 船からの連絡の受領と状況の確認
  • 緊急時の連絡・陸上での対応

「電話に出られる人がいればよい」わけではありません。 講習に加えて、連絡設備を使えること、自分の役割を理解していること、実際に対応できる配置が必要です。陸上従業者は自社の従業者以外でも差し支えないとされていますが、体制の確保が前提です。

陸上従業者が補佐しても、運航管理者としての責任がなくなるわけではありません。事故時の役割分担や、連絡が途絶えたときの対応も、安全管理規程と実際の運航に合わせて整理します。

05

兼務講習の内容

船側・陸側で、それぞれ受講。

船に乗る運航管理者

運航管理者兼務講習

船上で運航管理を行うときの注意点と、陸上従業者への指示・連絡を学びます。

  • 運航判断と航海の安全
  • 船長等としての職務との関係
  • 陸上への連絡、緊急時の対応
陸で連絡・対応する人

陸上従業者兼務講習

運航管理者を陸上から補佐するための、連絡・情報提供・緊急対応を学びます。

  • 陸と船の連絡方法・設備
  • 気象等の情報収集と報告
  • 事故・災害時の陸上での対応
18歳以上各兼務講習の受講要件
講義1時間以上各兼務講習の基準
理解度の確認講義後に内容の理解を確認
修了証明書修了後の手続きで使う書類

実際の所要時間・受講方法・受講料は講習機関ごとに確認してください。陸上従業者兼務講習の修了は、運航管理者資格者証の交付とは別です。

06

限定小規模事業者の手続き

受講して終わりではなく、
運航できる体制まで整えます。

  1. 1

    特例の対象と、担当する人を確認

    事業の登録、船の総トン数・旅客定員、同時運航の隻数を確認。船に乗る運航管理者と、陸上従業者を決めます。

  2. 2

    船側・陸側の両者が、必要な講習を修了

    それぞれ対象となる兼務講習を受講し、修了証明書を受け取ります。過去の受講歴がある場合も、受講日と有効な取扱いを確認します。

  3. 3

    地方運輸局等へ、事前に報告・書類提出

    陸上従業者の報告と、両者の講習修了証明書の提出などを行います。具体的な申請方法・様式は所管窓口の案内を確認してください。

  4. 4

    陸上の配置・連絡体制を確認して運航

    安全管理規程と実際の配置を一致させ、連絡設備、出入港時の連絡、緊急時の対応を確認します。継続受講の期限も管理します。

07

日付の取り違えを防ぐ

「経過措置」と「2年」を、別々に管理。

対象となる既存事業者の経過措置2027年3月31日まで

2026年3月31日以前から事業を行っている場合の経過措置です。

2027年4月1日以降

必要な講習・申請・体制に
対応して、兼務を継続。

経過措置中に兼務していたことだけでは、継続できません。講習の予約から書類提出まで、余裕を持って準備します。

新規事業者がこの経過措置を一律に使えるわけではありません。事業開始・許可・登録・届出の時期と事業区分を確認します。

資格者証の有効期限

資格者証ごとに 2年

資格者証に記載された期限を基準に、更新講習と更新申請を管理します。

兼務講習の継続受講

最後の受講日から 2年

限定小規模事業者の特例で兼務を続ける場合、運航管理者・陸上従業者それぞれについて、最後の受講日から2年を経過する日までに再受講が必要です。

「兼務講習は一度だけ」ではありません。 資格者証の更新日と、船側・陸側それぞれの兼務講習の受講日は、別の記録として残します。事業の登録・許可の手続きとも分けて管理してください。

08

受講先と相談の準備

受講は登録講習機関へ。
事業の体制・手続きは当事務所へ。

講習の受講

講習機関へ確認すること

2026年9月24日時点で、兼務講習の登録講習機関として案内されているのは、次の2機関です。

  • 一般社団法人 海洋共育センター
  • 一般社団法人 日本海上交通安全協会

開催日・会場・オンライン受講の可否・受講料・申込方法は、各講習機関に確認してください。更新講習の受付については、準備が整い次第の案内となっています。

事業者の準備

相談時にあるとよい資料

  • 事業の許可書・登録書・届出控え
  • 船舶検査証書(総トン数・旅客定員)
  • 航路・同時運航の隻数・運航予定
  • 管理者資格者証と有効期限
  • 両者の講習修了証明書・受講日
  • 陸上従業者の配置・連絡方法
  • 現在の安全管理規程

ご依頼を検討されている事業者の方へ

自社の体制で、何を準備すればよいか。

船舶・運航計画・現在の資格や講習の状況をお知らせください。当事務所は事業の許可・登録、安全管理体制や手続きのご相談を承ります。このページは当事務所が更新講習・兼務講習を開催、受講受付しているという案内ではありません。

事業の体制・手続きを相談する
Q&A

迷いやすいところを確認

よくあるご質問

更新講習を受ければ、船長との兼務もできますか?

更新講習は資格者証の更新に関する講習です。船への乗組みには、兼務の特例の条件、船側・陸側の兼務講習、陸上体制と必要な手続きを別に確認します。

船長だけが兼務講習を受ければよいですか?

船長が運航管理者を兼ねる場合は、船側の運航管理者に加え、陸上従業者もそれぞれの兼務講習を受ける必要があります。運航中に常時連絡が取れる配置も必要です。

陸上従業者も、運航管理者資格者証が必要ですか?

陸上従業者兼務講習の修了と、運航管理者資格者証の取得は異なります。陸上従業者は運航管理者を補佐する役割であり、資格者証を持つ運航管理者への選任を代替するものではありません。どの職務で配置するかを先に整理します。

2027年3月31日までなら、何もしなくてよいですか?

経過措置には対象があります。対象となる既存事業者も、2027年4月1日以降の体制に備え、講習・申請・陸上配置を準備する必要があります。新規事業者に同じ猶予があると考えないでください。

兼務講習の修了証明書があれば、資格者証の更新は不要ですか?

不要にはなりません。資格者証の有効期限と、兼務講習の継続受講の期限は別です。資格者証、運航管理者兼務講習、陸上従業者兼務講習の3つの日付を分けて確認してください。

講習の日程や料金は、このページで申し込めますか?

講習の申込みは各登録講習機関が受け付けます。日程・実施方法・受講料は各機関に確認してください。当事務所の相談窓口では、事業の許可・登録や管理体制の手続きについてご相談いただけます。